衆議院-憲法審査会 2020年(令和2年)12月03日
 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら



○本多委員 立憲民主党の本多平直です。
 この国民投票法の七項目については、何か異論がないみたいなことを勝手に決めつけで発言される方がたくさんいらっしゃるんですが、きょう私は二点指摘をさせていただきたいと思います。
 期日前投票時間の弾力的な設定についてという改正案が出されていますが、お配りしている資料を見ていただければと思います。実は、改正前が左で、改正後が右でございます。いろいろな方の知恵を使ってつくってみたんですが、今の仕組みから変えたことによって、自治体の選挙管理委員会の判断によっては、あいている総時間数が少なくなるという事例もあるということをお示しをしています。
 こういった、投票機会の拡大拡大といいながら、投票時間が短くなるような改正を提案されている理由は何ですか。

○逢沢議員 本多先生にお答えを申し上げたいと思います。
 七項目のうち、繰延べ投票の期日の告示の期限見直し……(本多委員「聞いていません、それ」と呼ぶ)大変失礼をいたしました。
 投票時間の弾力化についてでございますけれども、これは、平成二十八年の公選法改正の審議の際に、特にこの項目を問題にする発言はなかったと承知をしております。むしろ、対案として提出された民主党案におきましても、開始時間を二時間でなく三時間前倒しをすることができるという違いはあるものの、他は同様な内容が定められており、その上で、全会一致で成立をさせていただいたと承知をいたしております。
 この公選法改正後、既に数回国政選挙がございました。平成二十八年の参議院選挙、そして平成二十九年の衆議院選挙、令和元年の参議院選挙があったわけでございますけれども、特に、有権者の方から、投票機会が狭められた、利便が低下をしたといったような報告等は上がってきていないというふうに承知をいたしております。

○本多委員 今言ったのは、もちろん、一年に一回、数年に一回、頻繁に行われる選挙においては、自治体の職員の対応の硬直化を防ぐ、まずこういう観点からこういう改正をしたときには旧民主党も賛成をしました。しかし、皆さん、よく考えてください。数年に一度の憲法を改正する国民投票の時間数を短くするというのは全く別な問題で、そのことを逢沢委員は検討されたのかということを私は聞いています、提出者は。
 もう一点言うと、実は、これは自治体の判断で極端な例をつくったと思われる方がいるかもしれませんが、この問題の一番の論点は、必ず八時半から八時まであいている場所がなくてもいいということに今回改正されるんです。
 普通の期日前投票はかなり一般的になっています。国民の間にも浸透してきています。みんなが思いつくのは、役場、役所なんです。市役所、役場にやっと期日前投票に行けると六時に駆けつけて、七時に駆けつけたら、もう閉まっている。自治体の皆さんには多少負担をかけるかもしれないけれども、こんな短縮を認めるというのは、僕は国民投票にふさわしくないと思うんですが、いかがですか。

○逢沢議員 各選管が、もちろん、公選法でこういった経験を、先ほど答弁をさせていただきましたように、国政選挙において経験をしてこられました。そして、有権者の声、反応等についても十二分に聴取をする、また、その努力をしなさいということを我々も督励をしてまいりました。
 適切に、各選管の判断、そして周知を徹底をしていく、この期間内にぜひ投票してほしい、権利を行使をしてほしい、そういった呼びかけ等も更に熱心に行う、そういった全体の努力を通じて投票の権利が確保される。各選管も最大限の努力をしていただけるものと心から確信をいたしております。

○細田会長 時間が来ております。短くお願いします。

○本多委員 役場、役所ぐらいの投票所は八時まであけることこそが、僕は、自治体選管にお願いする、数年に一回しか行われないような大きな国民投票にはそうすべきだという論点を一つ提示しておきますので、今後も議論したいと思います。
 もう一点、台風が予想されたときなどに投票日を繰り延べるという規定が、これも横並びで入ってきています。しかし、私は、早く市長を決めなきゃいけない、早く知事を決めなきゃいけないという急いで結果を出さなきゃいけない選挙と国民投票の場合、違えていいのか。
 これまでは、改正前は、土曜日に、あしたは台風だから、一部の地域は木曜日に延期できる、一番早くて木曜日に延期できる。それを、今回の逢沢提出者が出している提出案は、日曜日が台風の予定だから、土曜日に、月曜日に投票日を変えるということが可能になっています。
 これは、そもそも、日曜日は大きな台風が予想して、台風が来ているわけです。その自治体において、この大事な国民投票を平日の月曜日に可能にするという改正は、私は選挙ではあり得ても国民投票ではあり得ないと思いますが、いかがですか。

○逢沢議員 七項目のうち繰延べ投票の期日の告示の期限見直しについては、平成二十八年の公選法改正の審議の際に特にこの項目を問題にする発言はなく、全会一致で成立をいたしました。
 その公選法改正の経緯、議論をしっかりと踏まえながら、この国民投票法の改正、粛々と進めていただきたいと思います。

○細田会長 それでは、ちょっと時間が来ておりますので。

○本多委員 私は、公選法と違う理由をきちんと説明しているんです。
 市長を決める選挙は急がなきゃいけない、結果の確定。だから、こういう改正はあり得た。だから、旧民主党も賛成しているんです。国民投票にこういう急ぐ必要があるのかという議論を提起しているんですが、いかがですか。

○逢沢議員 同じ答弁になるわけでありますけれども、各選管の判断によって、丁寧に周知をしっかりと行いながら、適切に国民投票の実施を図ってまいりたいと思います。ぜひ御理解をいただきたいと存じます。

○細田会長 では、時間でございますので……(本多委員「いいですか」と呼ぶ)
 では、本多君。

○本多委員 会長、まだ議論することがあるので、今後ともよろしくお願いします。
 これで終わります。