衆議院-決算行政監視委員会第二分科会 2010年(平成22年)05月18日




○木村主査

昨日に引き続き財務省所管、国民生活金融公庫、日本政策投資銀行、国際協力銀行及び株式会社日本政策金融公庫について審査を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。本多平直君。

○本多分科員 民主党の本多平直でございます。
 先日も、決算行政監視委員会におきまして、菅大臣と議論をさせていただきました。引き続きまして、財政運営全般、特別会計の見直し、そしてまた特に外国為替特別会計について質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、菅大臣、最近でございますけれども、増税による経済成長があり得るという説をいろいろなところでお話をされていると承っております。この考え方について、私の今の言葉遣い自体が正しいのかどうかも含めてなんですけれども、ぜひちょっと御説明をいただければと思います。

○菅国務大臣

 たしか三月の二十四日、来年度の予算が成立した日の夕方の記者会見で私が申し上げたのは、デフレ状況に日本があると。デフレ状況というのは、いろいろな表現がありますけれども、お金がないわけではなくて、お金はあるんだけれども、個人もお金を余り使わない、つまり物を買うよりお金で持っておきたい、企業も設備投資などに積極的にお金を使うよりも蓄えておきたい、そういう状況が今のデフレを生んでいる。

 そこで、デフレ状況の中でお金を循環させなきゃいけない。これまでは国債という形でそれをいわば吸い上げて、そしてそれを財政として支出していたわけですが、ある意味ではそれが限界にだんだん近づいている。しかし、かといって、今のデフレ状況の中で財政出動そのものを縮小していくという形は、必ずしも景気、経済にとってはプラスにならない。そう考えると、結果としては、財政出動と、そのもとになる税収と、あるいは国債ということの三つの関係になるわけであります。

 それに加えて特に申し上げたのは、一般的には、税を引き上げた場合は景気に悪い影響があるということを多くの人が何となく感じているわけです。私は改めてそれを全部調べさせております。私の足元には財務省と同時に経済財政担当のいわゆる旧経企庁がありますけれども、今日までのいろいろな調査によれば、必ずしも税を上げたことによって景気にマイナスになったという形にはなっておりません。確かに短期的には、例えば消費税を引き上げれば駆け込み需要があって、その後それが落ち込みますから、極めて短期的に見ればその影響は出ますけれども、もうちょっと長い幅で見ればそういったマイナスの影響は出ておりません。どちらかといえば、何に使うかが問題だと思っています。

 そういう意味で、何に使うかという話になると、成長戦略でも申し上げているわけですが、例えば介護とか医療とかあるいは保育とか、そういう潜在的な需要がありながら賃金が安過ぎるために供給が出ない分野、あるいはグリーンイノベーションといったような、新たな需要を生み出すようなイノベーションの分野、そういうところに的確に使っていけば経済成長にもつながってくる、このように思っているわけです。

 そういった意味で、増税によるという言い方を私はしたというよりも、結局のところは、財政出動を今程度維持しようとするのかしないのか、維持しようとすることが必要だと考えれば、国債を今と同じか、それ以上出していくのか、それとも、それも危ないと考えたら、税でそれを分担してもらうのか、こういう関係にあって、税でやれば何か景気が悪くなるという従来の、やや、特に政治家にとってはそれが選挙につながって、選挙で負けるというトラウマになっていますので、そういうことが必ずしもそうではない、つまり、財政出動による使い道を間違わなければ経済成長につながってくる、その出動のためには国債か税かということしかありませんから、そういう意味で、国債が限界であれば税をもう少し、税制改正も必要になるのではないか、こういう趣旨で申し上げたところです。

○本多分科員

 ありがとうございました。
 短いワーディングで、増税という言葉だけが新聞に載りますので、今の説明を聞かせていただいて、適切な財政出動が今の経済に必要だという趣旨は私も全く同感でございます。

 そのときに、国債がもうほぼ限界であるというのは皆さん共通の認識ではあると思うんですけれども、本当にぎりぎりどうなのかという話と、増税、これが必要になるとしてもタイミングがどうなるのかというところが、ほぼそれは政党問わずに議論になってくるのではないかと私は思っています。

 ただ、いずれにしても、国債をこの期に及んで、ギリシャの様子も見ていて、さらに出すということにしても、また、国民の皆さんに負担をしていただくということにしても、前提は、やはり無駄遣い的なものがまだ本当に残っていないのか、ましてやそれが、国民の皆さんにもそこまでやったというふうにきちんと見える、理解をしていただける状況なのかということが、その後の国債発行であれ増税であれ、理解をいただける大前提になると私は思っています。

 その意味でも、政治家の言葉遣いというのはすごく大きな影響を与えて、塩川元財務大臣のあの特別会計の比喩はずっとこれが長く生きていたりするんですが、菅大臣がおっしゃられた逆立ちをして鼻血が出なくなるまでという表現は、私は、これは今も生き残っているという理解でよろしいんでしょうか。

    〔主査退席、柚木主査代理着席〕

○菅国務大臣

 おっしゃるように、もともと民主党としてのマニフェストの中で、一般会計、特別会計を合わせて約二百七兆規模の総予算を徹底的に見直していこう、そういうことで、その中から無駄を削減して、その部分を新たな施策に振り向けていこう、こういう考え方をとってきたことはもうよく御承知のとおりだと思います。

 そして、初年度、かなり時間的な制約はありましたけれども、それぞれ努力をしていただいて、当初期待したほどというか、予定したほどすべてが出たわけではありませんが、返還金等を含めれば三・三兆円程度の捻出ができて、その範囲の中でマニフェストの幾つかの項目を実行した。逆に言うと、その範囲の中でガソリン税の暫定税率の廃止は残念ながら実行できなかったということも含めて、そういう枠組みでやったわけであります。

 そして、現在は、改めて、枝野行政刷新担当大臣が任命されて、さらなる事業仕分け、さらには特別会計を含めた抜本的見直しに意欲的に取り組むということで作業が進んでいるわけでありまして、そういう意味で、無駄の削減については、今度は制度問題とか組織のあり方の問題に切り込む形を含めて、さらなる努力が必要だ。鼻血が出ないという言い方が適切であったかどうかは別として、そういった努力は、これまで同様、あるいはこれまで以上に、内閣としても、できれば党としても御協力をいただきたい、このように思っております。

○本多分科員

 ありがとうございます。
 国債発行にせよ、増税にしろ、私は、その前提は、すべて、やはり逆立ちをしても鼻血が出なくなるという姿勢を堅持していただきたい。まさに枝野大臣がされている事業仕分け、これは国民の皆さんにも評価いただいていますし、政権交代をして実現をした大きな一つの一歩だと思いますけれども、さまざまな観点から歳出の組みかえというのをしていかなければいけない。その大きな一つの柱が私は特別会計のあり方であると思っています。

 そのときなんですけれども、きょう行政刷新会議があるようで、また新たに方向が示されると伺っておりますけれども、それ以前に既に、菅大臣は就任早々、特別会計の見直しに関して指示を各省にもされていますし、御自分の財務省所管でも大きな特別会計を幾つかお持ちでございます。

 菅大臣としての特別会計見直しについての大きな方針をお聞かせいただければと思います。

○菅国務大臣

 まさに本多議員が言われたように、塩川元財務大臣が、母屋でおかゆをすすっているのに離れではすき焼きかしゃぶしゃぶを豪華に食べている、その御指摘は私は今でも相当部分は当たっていると思っております。その中に特別会計という分野があって、それぞれその抜本的な見直しにいよいよ本格的に取り組む段階が来たというふうに思っております。

 財務省は、今御指摘のように、みずからの関係する特別会計もありますし、あるいは他の省庁の特別会計についても広い意味では財政という分野でかなり把握をしておりますので、そういう役割も含めて、もう一度それぞれの特別会計のあり方を見直していく枝野大臣の行動に全力で全面的に協力していきたい、このように考えております。 ○本多分科員 実は、民主党としてもこの特別会計の見直しには着手をしておりまして、財務金融委員そして決算行政監視委員を中心に、それぞれ特別会計ごとに四、五人ずつチームをつくって、一つ一つ細かく、大きな制度論それから無駄遣い論、いろいろな観点から今見直しを行っているところであります。

 ただ、非常に、私もたまたま外国為替特別会計の担当になりまして、財務省の官僚の方とも何度も議論をしているんですけれども、制度自体がなかなか複雑であったり、実は、私もこの場で、ここをどうしたらいいんじゃないかという具体的な提案をきちんとできるところまで詰め切って本当は来たかったんですけれども、まだなかなかそういう段階まで行かない、技術論があったりする難しい問題が、ここをこうはがすと結局は借金を別なところからしなきゃいけないとかいろいろな議論がある。その中で、今、一生懸命検討を続けているところです。

 きのうの決算行政委員会の議論を聞いていましても、それは菅大臣も野田副大臣も聞かれたと思いますが、我々の城井委員や無所属の小泉龍司委員からも同じような具体的な提案がありました。これをやはり具体化して、そしてまた、大きな改革はもしかしたら特別会計の廃止をしてというような法案がかかったり少し時間がかかるかもしれないんですが、私たちにとって今緊急の課題は、来年度の予算をどう組んでいくか、その財源をどこから見つけるか、それはどうするかという話が非常に大事になっていますので、そのタイムスパンの中で、つまり、予算組みの、ことしの年末ぐらいまでにある程度のものが出せる技術的な指示を財務官僚の皆さんにしていただきたいなと思っているんです。

 なぜこのようなことを申し上げるかといいますと、この三年ぐらいですか、あの埋蔵金論争というのが自民党さんの中から起きて以来、実は、ないないと言われてきたんですね。官僚の方はもちろん、そんなものはありませんと、いろいろな制度論を説明されて、そのようなものは出てきませんと。それにレクチャーをされた自民党の大臣や政治家さんも、そんなことは妄想だというようなことを言ってきたんですが、結局のところ、ここ二年ぐらいの予算組みが来ると、どうにかここは出せますというようなことになって一部出てきて、そして今の議論としては、一回出したんだから、もうこれ以上はないよというようなことになっているんですね。

 この流れを見ますと、実は、今、財務省の官僚の方と議論をしていて、本多さん、こういう議論で、ここはそう簡単には取り崩せないんですよというようなことを説明されても、つまり、ないない、だめだめと言われて結局出たというこの一連の経過を見ていると、非常に複雑な制度論の中で私たちももっと勉強して突っ込んでいかなきゃいけないと思いますけれども、やはり財務省本体が協力をして本気で財源を出すつもりになって、そこの乗り越える技術論も、官僚の皆さんの知識で乗り越えて出していただかないといけないことが発生をすると思います。

 そういった意味で、大きな制度論のことはまた枝野さんなんかと一緒にされていくと思うんですけれども、来年度の財源に向けて、他の省庁のことは別としても、特に財務省所管のところには大きな技術的に難しい特別会計が幾つかありますから、こういったところに関してこういう意気込みで財務官僚に指示を出していく、そういうお考えはあるでしょうか。

○菅国務大臣

 実は、ことしの予算を組むときに、相当厳しいといいますか、税外収入をいろいろな形で、まさに埋蔵金を取り崩すようにということで、十兆円を超える税外収入を計上したところであります。

 そういう中で、私も、今指摘のあった外為特会などを含めて、ことし捻出できるところまで相当したわけですが、さらに捻出できるかどうかというところになったときに、一つの考え方として、先ほどのまさに塩川さんのような、つまりは特別会計があることによって本当に無駄なお金が財政規律が緩くて使われているということを絞り込むということは、これは当然これからもやらなきゃいけません。

 ただ、あるお金をつけかえるような形にならざるを得ないところについて、どこまでそれをやることが意味があるのか、あるいはないのか、そういう分野が幾つかあることはいろいろ勉強されていてわかると思うんです。

 例えば、この外為特会の場合も、フローの方は、それを運用して、外国と日本の金利差で二兆から三兆のお金が出ていますので、それは一般会計に繰り入れていくという形が、とってきましたし、とりやすいんですが、ストックの部分については、いわゆる為替差損まで計算すると、やや差損が大きくなっている。しかし、二十兆の積立金があることはあるわけでありまして、そういうものを場合によっては一般会計に繰り入れて使うことが制度的には不可能ではないと思いますが、必ずしもそれが無駄の削減につながっているかどうかというのは、またちょっと見方が違うのかなと。

 そういう意味で、いろいろとまた来年度の、まだ現時点では予算そのものの編成の前段階で、まさに無駄を徹底的に削る、あるいは制度の見直しを徹底的にやるという段階ですので、まさにそういう視点で、財務省なり内閣としてもやりますけれども、ぜひ党の方でも、大いにその両面から議論をしていただいて、またいろいろな提言をいただければと思っております。

○本多分科員

 大臣に言われましたとおり、党の方でもしっかりと頑張っていきますので、政府としてもよろしくお願いをしたいと思います。

 それで、私、ちょっと最初の話に戻るんですけれども、実は、例えば、財務官僚の方にすごい無理筋の、なかなか厳しい、埋蔵金的なものを出してこいと言うときにしても、さらには、菅大臣は四十四兆円という発言をされて、国債の枠に余り、与党になったからといって、あれもやりたい、これもやりたいと言われても困るよという意味でおっしゃられていると思うんですけれども、実は私は、一つは、ここの一年、二年を乗り切っていくために、いろいろなことをやっていくためには、未来に増税をするという、きちんとした責任のあるアナウンスをするということが大事なんだと思っているんです。

 もちろん、これをどの時期で言うかというのは、参議院選挙の前がいいのか後がいいのかとかというのは極めて政治的な話で、これは党の幹部などに判断をしていただければと思うんですけれども、私は、いずれにしてもきちんと、衆議院選挙の後、私はそこが適切だと思っているんですが、次の衆議院選挙の後に民主党が勝たせていただいて政権を引き続き担当させていただいたら、必ずしも消費税に限ることはないけれども、負担増をきちんとやって、今の財政の状況もきちんと立て直します、それも財政緊縮型ではなくて、最初に菅大臣がおっしゃられたとおり、必要なところには必要なものを使っていく、そしてそれが逆に経済にもいい影響を与えていく、このメッセージをまずしっかり出すということが必要だと思っているんです。

 このメッセージを出すことが未来に向けての安心であると同時に、そういうことを言う政党であれば、財務官僚の皆さんも、いろいろ厳しい中で、隠し球がもしあれば出そうかという気になる、インセンティブになると思っているんです。こういうことを言わない政権が今まで続いてまいりました。こういうことを言わない政権のもとで隠し球を出したら、その隠し球だけとられて、また未来の財政は改善をしていかないという中で、財務官僚の方のインセンティブも私は違うと思います。

 ですから、どこの時期で言うか。また、どこの時期からというのは極めて政治的な判断ですから今菅大臣が言えることかどうかわかりませんけれども、私は、次の総選挙は自分でも厳しいけれども、増税をして皆さんのためにそれを使いたいんだということをきちんと選挙で訴えて戦いたいというのが自分の考えでございます。そのためにも、今、逆立ちしても鼻血が出なくなるまでやらなければそんな主張は通るわけがないので、そういう主張をしているというわけであります。

 それともう一つなんですが、菅大臣がせっかく四十四兆と言ったばかりなので、すぐさまそれをどうこうしろというわけではないんですが、私は実は、衆議院選挙後なら衆議院選挙後に増税をするというアナウンスをきちんとした後であれば、この二、三年は多少の国債の多目の増発は許されるんじゃないかという考え方を持っているんです。

 これも、これまで過去に、きちんと先の増税をアナウンスした政権というのは、自民党を中心とする政権の中で、私は残念ながら見たことがありません。そういう政権が国債を発行すると言ったら、またそれでずぶずぶになるのではないかという御批判をいただくわけであります。しかし、我々は、今、時期の問題では党と菅さんの間でもいろいろ意見がやりとりされていますけれども、将来的に負担増が必要であるということに関してはほぼ一致をしていると私は認識をしています。

 そういった中で、きちんとアナウンスをした上であれば、この二、三年、景気の回復のために、それこそ菅さんのおっしゃる財政支出で景気をよくするという考え方もありますし、マニフェストでお約束をしたことをできるだけ実現したいという観点からも、きちんと先に増税をアナウンスした政府であれば、ある程度の国債発行を額にとらわれずやるという考え方もあるのではないかと私は思うのですが、大臣はいかがお考えでしょうか。

○菅国務大臣

 まさに今言われたようなことが、内閣の中でも、場合によっては民主党、党の中でも、そのこと自体が議論をされている状況だと思っています。

 余り前の内閣のことを言っちゃいけませんけれども、小泉当時の総理も、自分の在任期間の間は消費税を上げないと。多分、次の安倍さんか何かがさらに力強く政権運営をされればそのあたりでということを念頭に置いておられたのかもしれませんけれども、結果としては、その後三人続いた自民党政権の総理の中でもそういうことにはいきませんでした。

 しかし、実は、アナウンスという意味では、当時の自民党を中心とした政権の中でも、財政法の中に百四条という項目があり、また、この国会にも参議院には財政健全化責任法という法律を自民党も出されて、五年後にはプライマリーバランスを赤字幅を半分にするとか、かなりアナウンスはされております。そういったことを考えますと、アナウンスをどういう形ですればいいのかということが一つあります。

 それからもう一つは、先ほど、しっかり言えば、財務省の官僚も、いいとこ取りをされないと思えば、二、三年は必要な費用は出してくるということも考えるのではないかというふうに言われました。財務省の官僚がという問題もあるんですけれども、やはり今回のギリシャの問題を見ていると、マーケットというものの持っている性格というのは、確実にこうだということはなかなか言えないわけです。

 今、本多議員は、かなり将来の税負担は必要なのが一般的になりつつあると言われますけれども、まだ必ずしもそうではなくて、いやいや、まだほとんどの国債は国内で消化されているんだから、そんなことを心配しないでもいいんだと言っておられる方も結構おられて、そういった意味では、まさに、アナウンスというのか、将来に対してどこまできちっとした計画が出せるかということ。

 それと同時に、そうはいっても、毎年毎年、私は四十四兆三千億というのはもちろん昨年の国債発行額を念頭に申し上げたわけですけれども、もしそれをこれから三年続けていても、多分、いわゆる国、地方の赤字は今一八一%ですから、二〇〇%を超えてくる、概算すると大体そのぐらいになります。そこまでマーケットが許すのかと。

 やはり持続可能性というのはこちらだけで考える問題ではなくて、マーケットというものが存在し、そして、それが一たん破綻したときにはある意味で国家の基本が崩れるということを考えますと、相当しっかりしたメッセージを出しておかなければ必ずしも大丈夫とは言えない、私はそういう心配を持っております。

○本多分科員

 ギリシャのことをじかに見られている大臣から、マーケットの対応も気にしながらやらなければいけないということの御提案がありましたので、私はメッセージを明確に出すべきだと思っております。その上でこの二、三年つなぐという考え方、メッセージを明確に出した上での、この二、三年いろいろな方法でつなぐという財政方法を私の意見として提案させていただきます。

 それで、最後に、決算行政監視委員会として、野田副大臣に、委員会としてというか私としてなんですが、ちょっと二つだけ御提案をさせていただきたいと思います。

 私、党内で外国為替特別会計の担当になったということで、実は外為特会というのはバランスシートの巨大な資金が問題でありまして、その中に、一応そこから出た剰余金で外務省の方が旅費を使ったり、いろいろな経済情報の機器を買ったりとかというお金を使っているので、余りそこがメーンの話ではないんですが、私は、決算行政監視委員になったからには、どこか一つ、この巨大な決算書の中で、これはもちろん全部は読めません、ただ、自分が担当したところのどこか一つを深掘りして、無駄がないかどうか自分でチェックをするということを一番ミクロまでやってみようという思いで、たまたま外国為替特別会計の外国旅費というところを自分でミクロのミクロまで見たいと思って、かなり前から書類をお願いしてきました。前回の決算行政監視委員会でも菅大臣にも申し上げたんです。

 実は、これは官僚の方が悪いというより、もともとないんですね。こういう資料がないのでつくったり、各部署でチェックを受けてくるという都合もあって、二段階で、ずらずらと会議の名前と、何人行って総額幾らというのがまず出て、これじゃ何だかわからないよと。全部細かい資料を出さすのはちょっと大変かなと思って、この中から一人当たりの総額が多い五つに絞ってようやく出てきたんですが、課長級が五人で行って交通費は幾らとか、結局、飛行機に乗ったんだか何に乗ったんだか全くわからないという資料が次に出ました。これは勘弁してよと。だから、どこからどこまで何航空の何クラスに乗ったのかということまで出してよということを言って、やっときのういただいたのがこれなんですね。

 私も、きのう見て、ここで質問をするというのはなかなか難しいわけで、実は、今回はこういう資料がなかったということらしいんですね。決算はこういうつくり方をしていないらしいんです。

 ただ、私は、この外国為替特別会計の旅費は一・二億円ですよと言われて、何がわかるんでしょうかと。やはり、それを審査していくとしたらこうやって細かいところまで見なければ、幸い私は今回、ワシントンのホテルも、本当は二万円で泊まれるところが、国際会議があるとホテルがぼりまして七万九千円かかるんですと。一泊七万九千円で泊まられていて、私も、国際会議のときにこのワシントンのホテルに電話をしてみて、本当にそこまで上がるのかどうかチェックしてみたいと思いますが、そういう一つ一つの事実がわかるわけですね。

 今はやめましたと言いますが、次官級の方は、ヨーロッパ往復二百万円かけてファーストクラスで出張されているわけですね。これも今はやめましたと言いますが、こういうふうにやはりミクロで見ていかないと、これはこうした外国旅費に限りません。国土交通省の予算であれ、農水省の予算であれ、事業の予算であれ、何という建設会社に幾ら払ったんだというところまで、全部は見られないけれども、七百人いる国会議員が手分けをして、当てずっぽうでもいいけれどもこういうことをするという前提があると、私は、会計検査院に並ぶ強力なパワーを決算で政治家が果たせると思っているんです。

 だから、そのためにも、まずこういう資料のあり方を、言われてからつくって、三週間も四週間もかかって、やっと審議の前の日、当日に出てくるということではなくて、事前にあらかじめ各部署でつくっておけば大したことないと役所の方もおっしゃっていましたから、そういう資料のつくり方を、財務省だけではなくて、全体に来年度の決算に向けては、これは与党の国会議員も決算をしっかり監視するというのは大事な役割だと思っていて、そのためにはそういう方法を検討していただけないかというのが一点。

 それから、最後にですが、この外国旅費みたいなものが外国為替特別会計に入っているのが本当にいいのか。同じ出張で、一般会計でお金を出しているものもあったりするんですね。本当にすべての話が為替かといったら、そうじゃないわけですよ。ほかの経済運営、金融の話もある。だから、こういう一般旅費みたいなものは、この特別会計を残すとしても、一般会計に残すという議論もあり得るのではないか。

 この二点、提案をして、野田副大臣の御意見をお聞かせください。

○野田副大臣

 まず、後段の方の御提案の方からなんですが、こういう区分経理をしているということは事業ごとの収支を明確にするという意味合いで、専らやはり外国為替にかかわる事務事業を行う際に旅費も含めて計上をしているというふうに御理解いただきたいと思うんです。

 私もG20等に出席をしたことがあります。表のテーマ、議題では為替はなくても、やはり為替の議論というのは国際会議であるんですね、間違いなくあります。そのための職員の旅費というのは、やはりある程度ここへ計上することは仕方がないというか、当然ではないのかなと思っています。そういうことで、そこはいろいろ検討したいと思いますが、現状ではきちっと、そうじゃない職員の場合は一般会計から旅費を出しているということは御理解をいただきたいと思います。

 それから、せっかく質問をされる準備の際に資料がおくれたということは本当に申しわけなく思いますが、実際、そういう形の資料をつくっていなかったということが実際のところでございますけれども、私自身も、これからの国会というのは、今、政府の立場で言うのも変ですが、やはり予算よりも決算を、立法よりも廃法をと思っておりますので、そのために資するように役所も努力しなければいけないというふうに思います。

 御提言ありがとうございました。

○本多分科員

 終わります。

○柚木主査代理

 これにて本多平直君の質疑は終了いたしました。