衆議院-予算委員会 2019年(令和元年)10月11日
 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら





○棚橋委員長 この際、本多平直君から関連質疑の申出があります。玉木君の持ち時間の範囲内でこれを許します。本多平直君。

○本多委員 立憲民主党の本多平直です。  共同会派を代表して、きょうは、新しく大臣になられた皆さんを中心に質問させていただきたいと思います。  まず、菅原経済産業大臣にいろいろ疑惑が出ております。お伺いをしたいと思います。  秘書給与というのを、公設秘書の給与ですね、これを自分に寄附しろというようなことを勧誘したりお願いをしたら秘書給与法違反になるということは御存じですね。

○菅原国務大臣 存じております。

○本多委員 そのようなことをされたことはございませんか。

○棚橋委員長 まず着席してから。(発言する者あり)

○菅原国務大臣 秘書に対して寄附の勧誘、要求といったことはございません。

○本多委員 勧誘をせずに秘書が自主的に寄附することは、法律違反にはなっていません。  今、菅原事務所の秘書さん、公設秘書さん、最近、自主的に寄附されている方はどれぐらいいらっしゃるんですか。

○菅原国務大臣 一人もおりません。

○本多委員 過去にいらっしゃったと思いますが、どれぐらいの数いらっしゃいますか。

○菅原国務大臣 私の今の認識では、過去にもいないというふうに、そういう今認識を持っています。

○本多委員 過去に秘書に寄附を強制していたのではないかという疑惑が出たときに、大臣は、週刊誌か何かに、これは秘書が自主的にしたものですとお答えになった例が、今、私、まさかそんな答えが出ると思わなかったので持ってきておりませんが、本当にそれでよろしいですか。過去に自主的に寄附した例があるのではないでしょうか。

○菅原国務大臣 今、私、ここでいる状況の中でそういう認識がないということでございまして、その辺含めて確認をしてみたいと思います。

○本多委員 私、時間があるので、一つ一つの答弁に、正しく答えてください。  過去に自主的にしていたことがあるんじゃないかと思うんです。これの数が多ければ、そしてそれが、私は、自然にしていたものかどうか、勧誘があったのかなかったのか、これは法律違反かどうか、今後もしっかり追及をしたいと思います。  次に、大臣、選挙区内の方に物品、メロン、カニ、こういうものを配ったら法律違反だ、公職選挙法の寄附行為の違反になるということは御存じですね。

○菅原国務大臣 そのように認識をしております。

○本多委員 大臣にお伺いをします。  これはちょっと法律違反のことと関係ないので気軽にお答えいただきたいんですが、大臣は、政治家の先輩、もちろん選挙区外ですよ、選挙区外の先輩や同僚にお歳暮、お中元のようなものをお贈りになる習慣はございますか。

○菅原国務大臣 選挙区内の先輩、そういうことはないと思います。  今、そういう認識は持ち合わせておりません。

○本多委員 委員長の注意もわかるんですが、私これまで、河村委員長、野田聖子委員長のもとで予算委員会で質疑してきて、一々席に戻るまで指名しないというのは、委員長、初めてなので、なかなか私もペースをつかめないので、私たちの時間も限られた時間でやっているので、円滑な運営をぜひ御協力お願いします、委員長。

○棚橋委員長 円滑な運営に努めてまいります。

○本多委員 本当に、この長い政治生活の中で、先輩の政治家や同僚の政治家に、メロンとかカニとか、贈ったことはないですか。

○菅原国務大臣 先輩の政治家、選挙区内の……(本多委員「選挙区外」と呼ぶ)外。ございます。失礼しました。それは、外はあります。

○本多委員 きのうの夜、大臣にお渡しした表、これは個人情報がたくさん載っているので、大臣だけにお渡しをしている表です。大臣は見ていただいていると思います。  これには、二百三十九名の方の名前が載っていまして、このうち政治家、我々もよく知っている、そこにも並んでいる安倍総理も載っていますし、菅官房長官も載っていますし、載っている方と載っていない方がいるのが微妙に、菅原先生の政治判断がよくわかるんですが、政治家の方が約五十名載っているんですね。そして、大臣の選挙区の練馬区の方百十名、載っているリストがあります。  このリスト、例えば二〇〇六年でいうと、練馬区の方にメロン二十四、カニ三十八、二〇〇六年の冬、ミカン二十三、タラコ、すじこ六十六、二〇〇七年の夏、メロン七十九、こういうものを、リストがあります。  このリストは、大臣、おたくの事務所でおつくりになったものじゃないですか。

○棚橋委員長 委員に質問させていただきますが、理事会で、今、リストの件についてお話がございませんでしたが……(発言する者あり)いやいや、この資料を出すという話が理事会でなかったじゃないですか。だから、結構ですから、今、筆頭から申し出てください、このような資料を提示しますということを。  先ほどもそうですが、提示する書籍であってもそのようにしてやっていますので……(発言する者あり)ちゃんとこうやって見せているじゃないですか。だから、筆頭からお話しください。筆頭からお話しいただければ、続けます。時間がもったいないでしょうから、筆頭からお話しください。(発言する者あり)提示されますね、はい、了解いたしました。

○本多委員 議長は、今のこの三分ぐらいの時間は後でつけ足していただけるんですか。

○棚橋委員長 これまで、提示していただく資料については理事会で事前に諮っておりますので、今、渡辺筆頭から提示をいただいた上で、議事を進めさせていただいております。

○本多委員 非常に私は委員長の差配に憤っていますよ。掲示なんかしていないじゃないですか。  これ、リストは、大臣の事務所のものですか。

○菅原国務大臣 きのう、本多委員の事務所からいただきました。それを見て、確認をするように、今、指示を事務所にしたところです。

○本多委員 すっとぼけたこと言わないでくださいよ。こんなもの、私の事務所にも私の知らない資料というのはあるかもしれませんよ、しかし、安倍晋三先生にはロイヤルゼリーを出して、大で、塩崎先生にはロイヤルゼリーが小、こんな判断、秘書ができるんですか。あなた、見ているじゃないですか、この資料。

○菅原国務大臣 その資料をしっかり、きのうの夕方、この予算委員会が終わった後にいただきましたから、よく確認をしたいと思います。

○本多委員 問題は政治家の方じゃもちろんないんですよ。安倍晋三先生に、当時は安倍内閣、第一次内閣ですよね、総理にロイヤルゼリーを贈られる、あると思いますよ、先輩に。違うんですよ、問題は。練馬区に住んでいる百十人に、メロン、カニ、冬はミカン、タラコ、すじこ、配っていたんじゃないんですか。

○菅原国務大臣 いただいたそのリストをしっかり確認をしたいと思います。

○本多委員 このリスト、政治家さんと一緒になっているので、すごいわかりやすいんですね。このように、菅原先生と親しい政治家と練馬区の方、その他がちょっと載っている、こんなリストをつくる人は、普通の常識では菅原さんしかいないんです。  今調べているということですので、その結果は理事会に報告していただくということでよろしいですか。

○菅原国務大臣 しっかり調べております。(発言する者あり)

○棚橋委員長 恐縮ですが、静粛にお願いいたします。

○本多委員 選挙区の方に物を配るのはもうやめましょうよ、こういう。これ、うちわを配ってやめた大臣もいるんですよ。タラコ、すじこ、カニ、こんなものを配って、そんな不公正な方がこの関電疑惑のさなかの経産省を率いれるとは到底思えないです。  更に言うと、ここに、私、言っておきますけれども、これはでたらめだととても思えないです。なぜかというと、元秘書さん本人とお会いして、代議士の横で、この人はメロン、ことしはやめる、この人は、こういうのを話し合って、当然ですよね、政治家さんもなかなか、人気がなくなるとメロンをもらえなくなったりしているんですよ。こういうことを作業したという証言を私は秘書さんからもらっていますから、その調査がどうなるか、しっかりしたいと思うんですけれども。  もう一点、公職選挙法だけじゃなくて、こういうことをしたらきちんと政治資金収支報告書に載せなきゃいけないんですね、やったとしたら。  私、ここに、北海道のある物産店、メロンを買われたのかカニを買われたのかわかりませんが、七十八万円相当の領収書を持っています。これですけれども、ちょっと、ちゃんと載っているんですかね、平成十九年八月二日に北海道の稚内の物産店から、自民党東京都第九区選挙区支部、七十五万八千円、お品代という領収書を持っています。  これはきのう、これもお渡ししていると思いますが、第九選挙区支部の会計に報告されていますでしょうか。

○菅原国務大臣 先ほどのお話のあったそのリストでございます。今調べております。平成十八年、今から十一年、十二年ぐらい前のものであります。したがって、今にわかに私も確認できないということで、しっかり調べたい、こう思っております。  今のお話ですが、この領収書に関して収支報告のお話がございましたけれども、平成十九年の収支報告書には、いわば保存期間がもう過ぎておりましたものですから、きのうの時点で確認できなかったというふうに承っております。

○本多委員 公職選挙法違反、政治資金規正法違反、ダブルで疑わしいので、きのうの夜しっかりと資料を出して、私はきょうまでに調べてくれと言っていたのが調べられていないわけで、しっかりと理事会に報告をしていただきたい、来週は参議院もありますので、報告をしていただきたいと思います。非常に疑わしいことだらけでありますので、こんな感じで関電の疑惑なんかは経産大臣のもとでやれるとはとても思えないので、しっかりと事実関係を明らかにしてください。  委員長、理事会でしっかり取り計らっていただけますか。

○棚橋委員長 理事からお申入れがございましたら、後刻、理事会で協議いたします。

○本多委員 次に、この内閣には、複数、暴力団との関係が取り沙汰されている方が入っています。芸能界などでは、写真を撮られた、そんなことだけで、非常に、休業に追い込まれたり、場合によっては引退に追い込まれたりする方も出てくるぐらい、厳しい態度で社会は今この問題に臨んでいます。  そういう中で、きょう取り上げたいのは竹本大臣。竹本大臣は、昨年ですよ、昔の話じゃございません。御自分でパーティーをされたところに、元暴力団関係者、まあ、元なのか、報道によれば、今でも特別顧問のような役割をされているという報道もございます、私はよくわかりません。しかし、その方が来て、竹本先生の派閥の親分である岸田先生がゲストで来られて、岸田先生がその元暴力団の方と握手して、写真週刊誌に撮られて、岸田先生は大変迷惑だったと思いますよ、私。同情いたします。そんなところに行って、写真撮ろうと言われたら、私も撮りますわ。それで言われた岸田先生は全然関係ないですよ、言っておきますけれども。あなたの問題ですよ。  まず、来ていたことに対しては、その報道をされて、こんな人が来ていて面識もないということを証言されていますけれども、それで正しいんですか。

○竹本国務大臣 今おっしゃったことはよく覚えております。去年の三月ですね。大体そのころにこういう集会をやっているんですが、岸田さんは私の政策グループの長ですので、お呼びいたしました。それで、そういった人と握手をしている写真が週刊誌に報道されたということであります。それも見ております。しかし、その方は全く知りません、私は。それで、どういう人か、どうしてそういう人がそこに来たのかと聞いて調べてみましたら、私の知っている人の知人の友人で、その人が連れてきたということでした。全く名前もわかりません。  以上です。

○本多委員 そこまでは一応あることかなという気もします、いろいろな方がパーティーには来ますので。ところが、あなた、このフライデーで自分の派閥の親分に大迷惑をかけた方ともう一回会っていますよね、去年の八月。

○竹本国務大臣 もう一回会っているかと言われると、会ってはおりません。  ただ、これは、これもよく覚えております。七月だったと思うんですけれども、淀川花火というのがあるんです、夏に。そのときに、私は大阪市内に、ほかの人たちといろいろ事務的な相談をしておりました。そのときに、私の知っている人から、きょうは淀川花火で、よく見えるところにいるのでいらっしゃいよという電話がかかってきました。私は忙しいから行かなかったので、五、六回かかってきたと思います。余り何度もかかるので、仕方なく、本当に仕方なく行きました。そうしたら、七、八人おられたか、よく覚えていないんですけれども、そこで、一緒に写真を撮りましょうといって撮られました。その中にその人がいたようであります。私も、それもよく覚えておりません。  以上です。

○本多委員 大臣、そんなばかげた話、通用するわけないじゃないですか。  ちなみに申し上げますと、大臣のその日の会合は、今もフェイスブックで見ることができるんですよ。その元暴力団関係者の方のフェイスブックをたどっていくと、二〇一八年八月四日、別に大勢の場所じゃありません。ホテルの一室で、一、二、三、四、五、六、七、八名。きょうこの現在も、今この写真はアップされています。  そして、私見ましたが、この八人しかいない中に、三カ月前に自分の派閥のボスに握手させて大迷惑をかけた方がいるじゃないですか。その人の顔がわからないなんということがこの世にあり得るんですか。どういう記憶力で仕事しているんですか。

○竹本国務大臣 ともかく、忙しいところに何回も電話がかかってきたから、しようがないから行ったんですよ。ほんの短時間いただけです。ばあっと写真撮りましょうと撮られただけ。それですぐ帰ったんですよ。覚えておりません。  ただ、おっしゃるように、その写真を見たら、ああ、同じ人なのかなという感じはしますけれども、全くそのときは覚えておりません。

○本多委員 これから更に追及させていただきますけれども、二回なんですよね。一回目だったら、たまたま撮られたとかいろいろなことがあると思いますよ。  それと、竹本大臣、あなた、十年前のこの予算委員会の場で、ねちねちねちねちと、同じような疑惑があった方にこういうことを言っていますよね。暴力団報道をされた人に、事実がどうであろうと、どうであろうと、要するにうわさが立てば、こういうことで私は潔白なんですよということをやはり示すのが政治家の責任と。御記憶ないですか。これ、議事録二、三ページにわたって、暴力団問題、何か、事実なのかどうか私知りませんけれども、追及しているじゃないですか、あなた。自分は何なんですか、こんな。  今も、元関係者と、派閥のボスに迷惑かけて、そして今もアップされている。こんなの芸能界だったらアウトですよ。どうなんですか、これ。

○竹本国務大臣 最初は私の開いたパーティーです。そこにその方が来ておられた。その方自身は会ったことないんですから知りませんでした。後でフライデーに載った写真を見て、ああ、そんな人がいたのかなという感じであります。  そして、二回目、また会っているじゃないかとおっしゃる。このときは、呼ばれて何度もうるさい、うるさいというのは申しわけないんですけれども、何回も電話がかかってくるから、しようがないから、まあ、知っている人ですので、呼んだ人は。それで、仕方なく行ったんですよ、息せき切って行って。それで、みんなで写真撮りましょうと撮られた。ただそれだけのことなんです。  それで、顔を覚えているか。そんな、七人か八人か、よく覚えていませんよ。おまえは頭が悪いとおっしゃるならそうかもしれませんけれども、そこまで覚えていません。そういうことです。

○本多委員 全くそういう、にわかには私は、これ、余り出したくないですけれども、岸田先生に悪いので。岸田先生にこれだけ迷惑かけた人の顔を、行ったらすぐ帰って、写真なんか撮るべきじゃないですよ。あなた、御自分でもアップしているでしょう、実は。  今後も、こういう問題、しっかりと、大臣、言われたとおり、追及していきたいと思います。  次に、新しくなられた田中大臣、復興大臣。  新しい分野になられて、いろいろと細かいことを聞かれて答えられないとかということはあるかもしれないです。しかし、復興大臣が、避難者は私の所管じゃないということを記者会見でおっしゃったんですよ。これ、間違いですよね。確認します。

○田中国務大臣 お答えをいたしたいと思います。  この点については、先日、私の方に記者会見のときに御質問がありまして、福島県の国家公務員宿舎の未契約世帯に対する訴訟の提訴について、県と事実上の利用者の間の訴訟であることから、直接の当事者ではない復興庁としてはコメントを差し控えさせていただくというお話をしたわけでございます。  避難指示区域以外に避難をしておられます皆さん、全ての被災者の支援は、国においては復興庁が担当して当然いることから、引き続き、福島県あるいは自治体、全ての皆さんとも密に連携をしながら、避難者の方々の生活再建を支援をしております。これからもそのようにしてまいりたいと思います。  以上でございます。

○本多委員 きちんとやっていただきたいんですが、今、避難者の問題というのは、特に県外に避難した方、国家公務員の住宅を出ていけと言われ、出ていかないんだったら違約金を二倍取るとか、結構厳しい扱いをされているんです。  これは本当に、国の責任で起こった原発事故で避難をしている方、これに対してこういう冷たい政策がどんどんとられている。多くの方は、これだけ時期がたちましたから、徐々に退去されたりしているんですが、残っている方というのは事情があるわけですよ。そこを、役所が冷たい論理で、冷たい役所がいろいろあるんですよ、そこを寄り添うのが復興庁の仕事なんですよ。それをわかっていらっしゃいますか。

○田中国務大臣 私は、常に申し上げておりますのは、復興庁の毎日の仕事は、被災者の皆さんの心にも日々の生活にも寄り添っていく、そして、常に現場主義を徹底する、このことを申し上げておりますし、私自身もそのように努めておるところでございます。  当然、全ての避難をされた方々に対して徹底して対応していく、このことについては、これからも努力をしてまいりますし、真剣な取組をしてまいりたいと思っております。  以上でございます。

○本多委員 それでは、一つ大臣にお願いがあります。  東雲住宅というところが今問題になっているんですね。少ない数の方ですけれども、私は詳しくまだ知りません、なぜ出られないのか。出ていけと言われ、家賃を上げると言われ、困っているという話は聞いたんです。  ぜひ復興庁で、大臣、直接はお忙しいと思うので、復興庁でですよ。福島県もいろいろな事情はあるんです、財務省もいろいろな言い分はあるんです。でも、そういう役所はいいんです。復興庁が、復興庁の職員の方が、どういう事情で出られないのか、こういう方法があるんじゃないか、そういう相談に乗っていただきたいと思うんですけれども、お願いできないですか。

○田中国務大臣 福島県の方でも今まで相談に乗っていただいているのではないかというふうに思います。  個別具体的には、私もこれから確認をさせていただいて、十分な対応がされているかどうか調査をさせていただきますけれども、福島県がやっておられることに対しては、私たちも今までしっかりとサポートをしてまいりました。人材面でも、また財政面でもさせていただきましたし、生活保護者の皆様方がいらっしゃる場合は、やはりこれについても期限の延期等もさせていただいておるようでございますし、今先生のおっしゃったことについても、福島県と相談をしながらさせていただきたいと思っております。  ありがとうございました。

○本多委員 福島と相談をしながら復興庁の職員の方が事情聴取をしていただけるという答弁でいいんですか、最後のところは。

○田中国務大臣 このことも含めて、福島県と十分確認をさせて、対応させていただきます。

○本多委員 全く、復興庁、こんな復興大臣のもとで、私は避難者の方の対応はできないと思いますよ。  つまり、財務省はいろいろな理由で出ていけと言う、福島県には福島県でいろいろな事情がある。そういうときに、避難者の側の事情を聞いて、役所との折衝が困難な方が残らざるを得ないんですよ、役所から厳しいことを言われて、そこを寄り添うのが僕は復興庁の仕事、復興大臣の仕事だと思っていますが、きょう、私はいい答弁をするチャンスを大臣に与えたと思いますけれども、残念ながら、記者会見で所管じゃないと的外れなことを言ったり、ごく限られた範囲で言いましたよ、この事情聴取に対しても、何か、検討すると、非常に後ろ向きな姿勢。私は大変残念だということをお伝えをしたいと思います。  さて、小泉大臣に伺いたいと思います。  大臣に就任して早々に、ニューヨークで、気候変動の行動サミットに行かれました。いろいろ大臣の発言の細かいところ、セクシーであるとか、それから、地球環境に実は余りいい影響がないんじゃないかというステーキを食べたとか、そんな報道がされて、そればかりがちょっと報道されて、大臣も残念だったんじゃないかと思うんですが、私は、実はその陰に隠れて、せっかく新しい若い大臣が行ったのに、大きな地球的な問題のこの会議で日本がすごく後ろ向きな姿勢しか示せなかった、小泉大臣でさえ、そういう後ろ向きの日本の姿勢を背負ってあの場に行っていた、このことこそが非常に残念だったと思うんですが、大臣の見解はいかがですか。

○小泉国務大臣 まず、事実関係から申し上げますと、あの国連の気候変動のアクションサミット、こちらは、招待国は百九十六の国と地域でありまして、本多先生がおっしゃる、日本は演説の機会はなかったのではないか、そういったことも含めまして、演説した国はそのうちに六十一カ国プラスEUということで、百九十六の国と地域のうち、演説をした国は六十一とEUであります。  そして、日本もオファーはありました。しかし、それは総理の予定がつかず、そのスピーチはかなわなかった。  ちなみに、環境大臣で、世界の国々でこの場で演説をした大臣は一人もいません。  そういった中でも、日本の取組をアピールできることはさまざまありました。  そして、今回、私は非常に大きな成果だと思っているのは、日本は今回、ニュージーランドが最近訴えてこられた炭素中立性連合というものに参加表明をいたしました。今回、ニューヨークに行く前にニュージーランドのアーデーン首相とお会いをしまして、私がその場で参加表明を伝え、大変喜ばれました。  そして、国連の方でも、たまたま国連の本部の中でアーデーン首相とお会いをしたときに先方からお声をかけていただいて、グテーレス国連事務総長に対して、日本が入るということを聞いた、そういったことをお伝えをしたら、グテーレス事務総長は大変喜ばれたと。  そして、その後に安倍総理がグテーレス事務総長と会談をされたので、私はそこにも同席をさせていただきました。そうしたら、グテーレス事務総長から、ニュージーランドの首相から日本が炭素中立性連合に参加表明をしたと聞いたけれどもそうなのか、そういったお話を私に振られまして、そして、私からそのことを改めてお伝えを申し上げました。  そして、大変喜ばれ、日本に帰国をしてから、これはおとといでありますけれども、官邸の方でグリーンイノベーションサミットが行われ、その場にレセプションで出席をされたのは、アイルランドの元大統領のロビンソンさんでありました。そのロビンソンさんが、スピーチのときに、日本が炭素中立性連合に入り、そして、その後にアイルランドは表明をして、これから一緒に切磋琢磨をしていこう、そういった話もありましたので、私は、間違いなく、今まで以上に日本がこの気候変動の取組に前向きな意思は、今、この国際社会の中で伝わりつつあると思っています。

○本多委員 小泉大臣、大変残念なんですよ。安倍内閣に入った瞬間に、安倍内閣の悪い癖がうつっちゃっているんじゃないかと思うんですよ。聞かれていないんですよ。  私、実は、環境省の役人の方もちゃんと大臣を補佐してください、会議で発言の機会がなかったことは、いろいろな事情があるから、あした大臣には聞かないと言ったじゃないですか。何でそんな原稿を渡して大臣に読ませているんですか、環境省。聞かないことに答え、そして、聞いていないことは長々しゃべられました。  じゃ、ちょっと聞きますが、大臣……(発言する者あり)何ですか。何か。

○棚橋委員長 質問をお続けください。

○本多委員 閣僚席から発言中に何か声があったんですけれども、茂木大臣、何ですか。何を言われたのか、教えていただけますか。

○棚橋委員長 本多平直君、御質問を続けてください。

○本多委員 茂木大臣が今言われかけたことをお聞かせください。

○棚橋委員長 本多平直君、御質問をもう一度お願いします。もう一度お願いいたします。

○本多委員 茂木大臣が今言われかけたことを御発言ください。

○茂木国務大臣 本多議員には何も申し上げておりません。

○本多委員 じゃ、議論を続けます、小泉大臣。  もちろん、前向きな部分もあるし、大臣に頑張ってほしいと私は思いますよ。しかし、じゃ、ちょっと認識を確認したいんですけれども、グテーレス事務総長が、パリ協定の合意だけでは足りないから、みんな少し上乗せを持ち寄ってくれという会議だったという認識は、ここは共通ですか。

○小泉国務大臣 グテーレス事務総長が気候変動の取組に大変思いを持って取り組まれていることはそのとおりでありまして、そして、その場において、さまざまな国に対して、野心的な取組をぜひ持ち寄って広げてもらいたい、そう言ったこともそのとおりです。  そして、事実、日本も、私が出席をするさまざまな場、そして、今回バイ会談も多くこなしましたが、その場で、日本がとり得るさまざまな具体的なアクション、その一つが炭素中立性連合、これへの参加表明でもありましたし、今回、クリーン・エア・イニシアチブというものもありまして、それへの参加表明も行いました。  そして、この気候変動の取組は、国だけではなくて、地方、自治体の取組も大変重要です。京都、そして東京、横浜、こういったところが二〇五〇年までのネットゼロを既に表明をしています。  こういった取組も含めて、私は、日本は前向きのことはしっかりと持ち込むことができたと考えております。

○本多委員 大臣、まさに、進んだ自治体は日本の国内でも二〇五〇年代ゼロと言った、幾つかの、小さいとは言わない、大事な成果もあるんだけれども、この会議のメーンは、二〇五〇年ゼロを言えるかどうかが大きな柱だったんですよ。そして、世界百九十カ国のうち七十七は頑張ってコミットしたのに、日本は、残念ながら、その半分の後ろ向きの方に入っちゃった、このことは残念じゃないですか。残念な結果じゃないですか。  二〇五〇年ゼロをこの機会に、特に新しい大臣になって言うべきじゃなかったんですかということです、私は。

○小泉国務大臣 私も、本多先生と同じように、気候変動により前向きに取り組んでいきたいという思いは共有します。  その上で、日本の中で私は広げていきたいと思っている考え方は、二〇三〇年の中期目標というのは下から積み上げていくという考え方で、まさに今をどうやって積み上げられるかという考え方が二〇三〇年の目標であります。しかし、二〇五〇年の目標は、積み上げではなく、いわばゴールという考え方で、そこまでは非連続のイノベーションとかを含めて起きなければ達成できないけれども、そこを目指していこうじゃないかというその思いというのは、日本というのは大変真面目な国ですから、真面目過ぎて、積み上げて今から二〇五〇年のことを考えようと思っても、私はそれは逆に現実的ではないと思います。  ですので、引き続き、これから何ができるかを考えていきたいと思います。

○本多委員 大臣、積み上げか目標設定かという話は別として、だとしたら、二〇五〇年のゼロにコミットしていくべきなんじゃないんですか、目標型だったら。積み上げ型だったら、いろいろ難しい、経産省も変な数字を持ってきたり面倒くさいことになりますが、目標型なら、世界の七十七カ国、いろいろな事情が違う国々が二〇五〇年ゼロ、これをコミットしているんだから、日本もコミットして、それに向けて全ての力を注力するというやり方をとるべきなんじゃないんですか。

○小泉国務大臣 改めて申し上げますが、私は、本多先生と同じように、この気候変動の取組をより強く持って進めていきたい、その思いは共有をしております。  その上で、日本は今、二〇五〇年に八〇%という形の長期の目標を持っておりますが、この過程においては、さまざまな産業界の声、そして、今までだったら、低炭素という言葉でさえも時にはこの気候変動の取組に対しては経済や雇用の負担になりかねない、そういった思いから、いや、むしろこれからは、経済にとっても気候変動へのアクションというのはリスクではなくて、これはチャンスなんだ、そういったことを、認識を共有できて、その上で今、政府を挙げて気候変動への取組と経済成長を両立をさせる好循環を生んでいこうということが、まさに共有できた大きなところだと思います。  その上で、この脱炭素社会の実現に向けてということは、日本も、二〇五〇年以降のできる限り早い時期にそれを実現をしていくということは既に掲げているので、私は、その方向に向けて、どれだけ早くできるかという思いで取り組んでいきたいと思いますので、どうかこれからも御支援のほどお願いしたいと思います。

○本多委員 すごく残念だったんですが。  産業界の意見とかを代表する役所はあるんです。経済産業省とかがいろいろな理屈で、そんな数字はできないとか持ってくるんです。それを乗り越えるのが大臣の仕事なんです。  実は、別にビジネス界もそんなにおくれていなくて、こんな世界的な潮流に乗らないと逆にビジネスできないという発想になっている。それは大臣もわかっていらっしゃると思うんです。  そこで、これは、実は大臣の前に割と地味な大臣いらっしゃいましたよ。議事録を読んでみたら、ちゃんと頑張っているんですよ、闘って。大臣が、経済界とか産業界とか……(発言する者あり)ああ、いらっしゃるんですか。真面目な、いや、地味って失礼じゃないんですよ。原田大臣の議事録を読んだら非常にいい取組されているんですよ、真面目に。  だから、まさか小泉大臣のような大臣のところで後ろ向きのことを言わないでください。産業界のいろいろな事情なんかというのは経産省がいろいろ紙を出してきますから、それを乗り越えて、世界の流れ、もう七十七カ国が二〇五〇年ゼロと言っているのに、二〇五〇年代のできるだけ早い時期、これはかなり先ですよ、いろいろな努力でできる目標設定をして頑張りましょうよと私は提案をしたいと思います。  それで、余り具体策なくこういうことだけ言っていちゃいけないと思うんですが、一番、いろいろ意識改革とか、もちろん環境問題大事です、それから自治体の取組、ミクロの話も大事なんだけれども、実は石炭火力発電所をどうしていくかということがメーンなんですよ、温暖化対策では。これは、さすがにグテーレスさんも、今あるものはいろいろな事情がある、動かしている地域の事情もある、新設はやめようよ、来年からはと言っているんです。  これは大臣、どうですか。

○小泉国務大臣 石炭火力について御質問をいただきました。  今、本多先生がおっしゃったとおり、環境省は、これは前大臣の原田大臣もあそこにいらっしゃいますけれども、厳しい対応を続けています。  今予定されている石炭火力発電の新増設計画、これが仮に全て実行されますと、既存の老朽石炭火力が順次廃止されたとしても、二〇三〇年度の削減目標を超過する可能性もあるわけですから、環境省の果たす役割は大きいと思います。毎年、電気事業のレビューを環境省はやっていますので、そこでしっかりと見ていきたいと思います。

○本多委員 新設はやめましょうよという質問なんですが、いかがですか。

○小泉国務大臣 今お答えをさせていただいたとおりでありますが、しっかりと見ていきたいと思います。

○本多委員 済みません、新設に対する大臣の、今いろいろ新設の話が進んでいるんですよ、それは容認するんですか。

○小泉国務大臣 改めてでありますが、さっき申し上げたとおりで、新増設の計画が全て実行されると、目標を掲げている二〇三〇年のものは達成できなくなる可能性があるわけです。  そこに対して環境省として何ができるかと考えますと、電気事業の分野を毎年しっかり見て、この計画を達成できるように、環境省ができることは最大限やるということであります。(発言する者あり)

○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

○本多委員 経産省がいろいろな理屈で、石炭火力発電所、今あるものの話、私たちは、二〇三〇年ぐらいにはゼロにしていくべきだという、既設のものも含めてですよ、話はそれはそれですよ。新設はやめようよと。これはグテーレス事務総長も言っている話をお答えにならない。経産省がいろいろな理屈をつけるのはわかるんだけれども、環境大臣が今のような答弁をするのは、私はすごく残念なんです。  特に、大臣、地球温暖化の問題をしっかりとめていく一番の柱が石炭火力なんですよ。大臣、記者会見のときに、具体的な対策は何かといったら、石炭火力なんですよ、まずは。意識改革でも何でもないんです。石炭火力という大きなことをどうしていけるかが鍵なんですよ。  残念ながら、大臣、たまたまで大変大臣には申しわけないけれども、横須賀が新設なんですよ、大きな基地が。  ここはまず自分のところから、いろいろな地元の御事情もあるかもしれない、しかし、旗振る、せっかく若い新しい大臣になったんだから、石炭火力発電所の新設中止というのは御地元から、今まさに工事が始まるか始まらないか、今ならとまれるんですよ。ここから始めて、日本の流れを変えていきませんか。

○小泉国務大臣 ありがとうございます。横須賀出身の私にとっては、横須賀という名前が、出していただけるだけでもうれしく思っています。  その上で、横須賀火力発電所、これに対する環境アセスの手続、これは既に完了しています。環境大臣が述べた意見に沿って事業者が進める取組について、今後注意深くフォローしていきたいと思います。  なお、これは私が大臣になる前でありますが、横須賀火力発電所に対して述べた環境大臣意見は、主に三つ、厳しく言っております。  一つ目が、世界の潮流に逆行するような地球温暖化対策が不十分な石炭火力発電は是認できなくなるおそれ、そして二つ目が、石炭火力発電に係る環境保全面からの事業リスクが極めて高いことを改めて強く自覚、そして三つ目、二〇三〇年度及びそれ以降に向けた本事業に係る二酸化炭素排出削減の取組への対応の道筋が描けない場合には事業実施を再検討することを含め、あらゆる選択肢を勘案して検討することが重要であるという厳しい指摘をさせていただいております。  ですので、本多先生が言う思いは私もよくわかります。そして、脱炭素に向けて、いかに化石燃料由来のものから脱却をしていくかということは共有をしているということを改めて申し上げたいと思いますが、私は環境大臣として、幾ら地元が、出身が横須賀だからとはいえ、横須賀の案件で全体の行政をゆがめることは私はあってはならないと思います。

○本多委員 たまたま今新設で話題になっている大きなところが横須賀なので、新しい大臣になられて、しっかりとここのことから始めるのが私は大きなメッセージになると思いますので。  今いろいろ言われましたけれども、しっかりと環境省として、今、つまり環境省の権限はなかなか強くないんです、大臣のような国民の支持のある方が経産省の理屈を乗り越えていく大きなチャンスなんですよ。ぜひ、経産省とか産業界にもいろいろな理屈はある、私もそれは勉強しています、しかし、それを乗り越える理屈を環境省で、これは世界的な潮流なんですよ、もう。  ヨーロッパの諸国は、二〇年代に石炭火力をゼロということをもう、全てヨーロッパの国々は、二〇年代ですよ、三〇年とか言っていないんですよ。もう当然、新設はやめるわけですよ。その中で新設をしている日本の状況というのは、大臣、これは本当に残念な状況だということは認識して、今後も仕事をしていただきたいと思います。  質問を終わります。

○棚橋委員長 この際、辻元清美君から関連質疑の申出があります。玉木君の持ち時間の範囲内でこれを許します。辻元清美君。