衆議院-安全保障委員会 2020年(令和2年)06月16日
 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら



○本多委員 立憲民主党の本多平直です。会派を代表して質問をさせていただきます。

 まず、昨日の河野大臣のイージス・アショアの配備の計画停止という決定については、私も、二〇一七年に五年ぶりに国会に戻ってきてからずっとこの安全保障委員会に所属をして、地元を抱える寺田議員と同じぐらい、この問題については議論をさせていただいてまいりました。また、個別の問題はあるんですけれども、私、やはり大きなことからいって、有効性、それとコストパフォーマンス、この点からほかに方法があるのではないか、これだけにこだわるのはおかしいのではないか、こういった観点からこの問題をずっと追及してきて、そして、ようやく昨日、大臣のああいう判断になったことを私も評価をしたいと思います。

 しかし、ここまで、例えばこの委員会でいえば、ほかにもたくさん議論したいことがある中、このイージス・アショアのよしあしということを、与党の皆さんから何か冷たい目で見られながらひたすら言い続けてきた私としては、やはり遅きに失したのではないかと、そのことは強く申し上げておきたいと思います。

 昨日の記者会見でもいろいろ質問に答えられているんですが、きちんとこの国会で報告をいただきたいので、幾つか確認をします。

 この決定、総理の了解は得られていますか。

○河野国務大臣 先週の金曜日に総理の御了解をいただいて、昨日発表したということでございます。

○本多委員 そうであれば、何か、停止であり、この後、国家安全保障会議に諮ると。手続としてそれが正しいのかもしれないんですが、事実上、防衛大臣が判断をし、総理大臣が了解をし、国家安全保障会議で手続をするということは理解しますが、この後、方向が変わるということはないと理解してよろしいですか。

○河野国務大臣 国家安全保障会議でも議論され、閣議でも決定をされていることでございますので、防衛省として、今回、この配備のプロセスを停止をするということを申し上げたわけでございます。

 今後、国家安全保障会議の中で議論をし、また、必要ならば閣議で再決定をするということにこれはなるわけでございますので、防衛省として今の時点で申し上げられるのは、この配備のプロセスを停止する、そういうことでございます。

○本多委員 今、防衛大臣の権限でできるのが停止ですと。  閣議決定、国家安全保障会議にかかった場合は、正式に撤回ということになるという理解をしていいですか。そのときも停止なんですか、あくまで。

○河野国務大臣 イージス・アショアの配備に関しましては、国家安全保障会議あるいは閣議ということがございますし、これまでの日本の防衛政策の中にもあるわけでございますから、そういったことが必要なところで議論をされ、必要ならば必要な修正が行われるということになると思います。

○本多委員 わかりました。  今、防衛大臣としては停止としか言えないけれども、正式に国家安全保障会議、閣議では撤回という決定をし得るということはいただきましたので、ここまで、費用の件、期間の件を考えても、私は到底、これを継続をすること自体、継続をすればするほど、調査費であるとか、いろいろな国民の税金が使われます。一刻も早く、停止という、更に不安をあおるような、またやるんじゃないかと反対をしている方は思います、こういう言い方ではなくて、そして税金も、調査費とかいろいろな形で無駄遣いがすぐにもとまるよう、曖昧な形ではなく、きちんと、閣議や国家安全保障会議での変な巻き返しを受けないように、撤回に向けて大臣の意思を貫いていただきたいと思います。

 ちなみに、ちょっと外務大臣にも来ていただいているんですが、この問題については、大事な国家安全保障会議のメンバーでもある、そしてまた、アメリカとの関係を所管されている外務大臣は、いつどのような形で聞かれましたか。

○茂木国務大臣 事前に報告を受けております。

○本多委員 もう少し具体的にお話をいただけますか。

○茂木国務大臣 防衛省の方から事前に連絡を受けております。

○本多委員 了解したということでよろしいですか。

○茂木国務大臣 あくまで今回の発表は防衛省において行われたものでありまして、報告を受けました。  NSCにおきまして議論が行われ、適切に、必要であれば何らかの決定等がなされると考えております。

○本多委員 防衛大臣が判断を示されて、総理大臣がそのことも了解をされている。  手続としては国家安全保障会議や閣議があると思いますが、今、こういう技術的な問題が発生をして、費用も期間も大幅にかかるとなったとき、この状況を聞いて、外務大臣は、外務省としてどうお考えですか。

○茂木国務大臣 NSCで議論すべきテーマであると思っております。

○本多委員 議論する方向性は今ないということですか。

○茂木国務大臣 方向性がないと私は全く申し上げていないと思います。NSCで議論すべきテーマだと申し上げております。  NSCにおきまして、外務省の考え、私の考えをしっかりとお話をしたい。NSCが開かれていない段階から、NSCでどういう議論をする、このことについては当然控えるべきものだと思っております。

○本多委員 いや、何か御意見があるようなので、NSCも大事な、国家安全保障会議も大事な組織ですけれども、衆議院も大事な組織なんです。きょう開かれているんです、この委員会は。外務大臣に御出席いただいていますので、感想だけでも述べていただけないですか。

 何か異論を、もちろん、日米関係からいったら、これはアメリカはどうなるんだという心配も乗っているわけですよ、怒るんじゃないかと。そういう観点から、どう思われますか。私は、アメリカが何を言おうと、きちんと河野大臣には方針を貫いていただきたいと思いますが、どうですか、外務大臣。

○茂木国務大臣 大切な問題だときちんと私は申し上げているつもりであります。何も言っていないというのは、それはちょっと違うんじゃないかな、こんなふうに思います。

 その上で、我が国を取り巻きます安全保障環境が一層厳しさを増す中、国民の生命財産を守ることは政府の重大な責務でありまして、これまで、同盟国であります米国とのさまざまな協力によりまして、切れ目のない体制構築をしてきたところであります。

 今回の決定がこのような米国とのさまざまな協力に影響を与えることは考えておりませんが、我が国としては引き続き米国と緊密に連携し、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していきたいと考えております。

○本多委員 そもそも、住宅地にブースターがおっこってくるようなものを売りつけてきた人たちに、それをやめたからと余り文句を言われる筋合いは私はないと思いますけれども、きちんとアメリカにも説明する仕事をしていただきたいと思いますし、総理大臣と防衛大臣がした判断に余り変な突っ込みを入れないでいただきたいなということは申し上げておきたいと思います。

 さて、少し防衛大臣に戻って議論をしたいんですが、ちょっと今回、ありとあらゆる人を納得させる理由として、ブースターの問題を一つ絞って、ブースターが演習地の外、つまり一般人が歩いたり住んでいるところに落ちるかもしれないということを払拭できないということでこの判断をしていただいたということは評価しますが、実は私から言わせていただくと、これはほんの、いろいろいろいろ、私も、秋田に問題があり過ぎて、山口の問題は残念ながら私の口からは指摘したことがなかったんですが、たくさん感じている問題点の一つです。

 ほかにも、もっと大きな問題点は、本当にコストパフォーマンスとして正しいのか、それから、北朝鮮やロシアなどのミサイル技術の発展の今の速度は、今既にもう迎撃が不能なんじゃないかという方もいらっしゃるわけです。この議論、根本だと思うんですね。五年後、十年後にできて、北朝鮮やロシア、今でも、まずいんじゃないか、撃ち落とせないんじゃないかという人がいる中で、この期間をかける、これはおかしいんじゃないかというのが根本の主張で、頑張ってきたんです。

 今回、直接の決定にこれというのはなかなか言いにくいのかもしれないですけれども、やはり私としてはそこ、そういうことも判断の、いろいろな考えの一つにあったということは、どこまで言えますか。

○河野国務大臣 北朝鮮は、ノドンを始め、日本を射程におさめる弾道ミサイルを多数持っております。現に日本の上空を北朝鮮のミサイルが飛び越えたということもある中で、このイージス・アショアを配備して、そうした弾道ミサイルから国土を守るという決断は、当時正しい決断であったというふうに思っております。

 しかし、政府として、このブースターを演習場の中にしっかり落とします、確実に落としますという約束をし、そういう説明をしている以上、政府としてその責任はしっかり果たさなければなりません。その責任を果たすために、SM3のブロック2A並みの、恐らく二千億、十年というコストと期間をかけるというのは、これは安全保障の観点からも、限られた防衛予算の使い方としても合理的でないという判断を今回したわけでございます。

○本多委員 残念ながら、今の河野防衛大臣としては、ここに絞って議論をしないと、いろいろな方向からいろいろ突っ込まれるということは理解しなくはないんですが、やはり、安全保障にとっての総合的な観点で、もしこれに本当に合理性があるなら、このブースターの改修をしても、私は、そんなことすべきじゃないと思いますよ、費用対効果からいっても、ほかの土地を探すとかということをするわけなんですよ。

 やはり私は、我々がずっと言ってきた、コストパフォーマンスの件、北朝鮮の技術の進歩、こういったものに追いついていけず、五年後、十年後に陳腐化するおそれがある、こういう大きな総合的な判断も今回の決定の背景にあったというふうに理解したいんですが、どうですか。

○河野国務大臣 先ほど答弁申し上げたとおりでございます。

○本多委員 わかりました。残念ながら、そこは答弁をいただけない。  私は、今でもその自分の考えは正しかったと思いますし、これからまたいろいろな識者の方も、これまでは何となく政府の方向に水を差さないように、表現をしてこなかった軍事の専門家の方にもいろいろな御意見を言っていただけると思いますし、突然降ってきて、ほかの予算どうなるんだ、運用どうなるんだ、本当に効果あるのかと心配されていた防衛省の中からもいろいろな声が出てきて、さらに、私の言ってきたこと、きちんと理論が皆さんに広まっていけばいいなと思っています。

 さて、そうはいうものの、今回の決定は決定なんですけれども、このブースターの件についても、相当、山口県の説明会では、落ちないということを何度も防衛省の担当者は、演習場の中に落ちる、外には落ちないようにすると。

 探しましたら、国会の共産党の仁比先生の議論の中で、岩屋防衛大臣は、この機能を用いて飛翔経路をコントロールし、演習場内に落ちるような運用を行ってまいりたいと考えていますと。

 これ、この時点、去年の六月三日ですが、このときの答弁は、わからないことを、いいかげんなことを言っていたんですかね。それとも、わかっていたのに虚偽の答弁を国会でしていたんですかね。

○河野国務大臣 ソフトウエアの改修でブースターをどこに落とすかということをコントロールできるという認識がございましたので、日米の間で、そういうコントロールをする、そういう議論をずっとしてまいりました。岩屋大臣の答弁も、そういう防衛省の認識に基づいて行われたものでございます。

 しかし、残念ながら、ソフトウエアの改修だけでは、確実にむつみの演習場に落とすということが言えないということがわかってまいりました。確実にむつみの演習場に落としますという御説明どおりのことをやるためには、このハードウエアの改修もせざるを得ないということがわかってまいりましたので、今回の決断につながったということでございます。

○本多委員 この説明、国会で、演習場の中にちゃんと落とすのは難しいんじゃないかという共産党の仁比議員の指摘、それから、私、ずっと秋田のことばかり勉強していたので、秋田とは違うんですけれども、山口の方はずっとこのブースターのことを心配をして、そして、大丈夫だ、大丈夫だという説明をしてきたわけです。これは百歩譲って、大臣、ここで岩屋大臣の答弁をどうこうと、じゃ、言わないですけれども、これは説明が足りなかったんじゃないんですか。

 つまり、今の技術ではソフトウエアで何とかなると思う、ハードまでは大丈夫だと思うとか、全然、これを検討しているとか、アメリカと調整しているとか、そういう情報を説明会とか国会できちんと言っていないんですよね。これは、やはり今となって考えると、もう少し途中の状況をきちんと説明しておくべきだったんじゃないんですか、国会への説明として。どうですか。

○河野国務大臣 結果として、ソフトウエアの改修だけでは御説明どおりの場所に落下することができなくなったということでございますので、そこはもうおわびを申し上げなければなりません。

 しかし、日米間の議論の中で、当初、このソフトウエアの改修でやれるのではないか、そういう判断でございましたので、この配備までの間にしっかりとこのソフトウエアを改修をする、同時並行でできるという判断でございました。そういうことなんだろうと思います。

 ですから、一〇〇%、確実にまず物を持ってから御説明をするということではまた配備が遅くなるということで、配備の御説明をしながらこの改修の努力をしてきたということなんだろうと思いますが、結果としてこういう事態になったことについては、防衛大臣としておわびを申し上げなければなりません。そこは真摯におわびを申し上げるとともに、これはきちっと私も、山口そして秋田に赴いて直接おわびをしてまいりたいというふうに考えております。

○本多委員 山口、秋田、相当な方々が、やむを得ず賛成の立場に立っていた方だって、この決定を見て、何だとなるわけですよ。反対で努力してきた方はもちろんです。大変な心配を、自分の子供が通う学校のそばにこういうものをつくるのかという素朴な思いで頑張ってこられた大勢の方がいるので、きちんと地元にも対応していただきたいんですが、きのうの記者会見を見て、大臣、地元には行くと言っていますけれども、国会でだって、こうやって我々、一生懸命いろいろな観点から質問していることをこういうふうに国会の議事録に残されたら、これが正しいのかと思って、ブースターは落ちないんだと思ってここの議論はしてこない、こういうことが続いてきたわけですよね。だから、そこはしっかりと反省をして、今後の防衛省のいろいろな問題への議論にしっかりと生かしていただきたいと思います。

 河野大臣は、今回の件も、言わないということはわかりましたけれども、コストのことも相当考えられたと思います、行政改革に取り組んでこられたので。

 それで、ただ、今回撤回したといっても、既にこのイージス・アショアには幾ら支出をされていますか。

○河野国務大臣 実際に今まで支払っているのは百二十数億だと思います。契約額で申しますと千八百億弱というふうに認識しております。

○本多委員 ちょっと予算の年度が、私、確定できないんですが、百億は既に支出をされたのは当然戻ってこないと思うんですけれども、その千八百億も支出を今後せざるを得ないんですか、停止をしようが撤回をしようが。

○河野国務大臣 その中には、さまざまな情報を取得するための経費ですとか、地質測量あるいは基本設計の調査費、設計費というものがございます。これはもう実際に支出をしているものでございます。

 それ以外に、このイージス・アショア本体の取得経費、あるいはレーダー、SPY7の取得経費というものがございます。これらについては、例えばSPY7というのはかなり高性能のレーダーでございますから、今後これをどのように使っていくかということは議論をしていく必要があると思いますし、このイージス・アショアを、配備をとめるとなると、今後どうするかという議論をしなければならないと思います。その中には、イージス艦をふやすという選択肢が考えられる。これは、するかどうかはまた別でございますが、仮にイージス艦をふやすということになれば、このイージス・アショアのシステムをそれに搭載するということもできます。そういうことを考えながら、このコストのことについては議論をしっかりやってまいりたいというふうに思います。

○本多委員 千八百億とかという大きな数字が出てくると、百何十億というのが小さな額のように思えるんですが、今回、撤回をしようが停止をしようが、もう既に百何十億は支出をしている。

 大臣、当然おわかりのとおり、一つの福祉的なプロジェクトだったら百億あれば余裕で、財源がない、財源がないと私たちの提案は社会保障の分野では蹴られるんですが、そういったことが一つできるぐらいの予算の規模が支出をされた。

 一度この企画に使うと言った千八百億円ですけれども、何かもごもごと、イージス艦に載っけるかもしれない。私は、悪いんですけれども、イージス艦は八隻にすればということで、それで既にイージス・アショアは要らないということで議論してきたんですが、またそれをふやすというのも、ちょっと話が飛んでいるような気がします。

 この千八百億円、そもそも全部で四千五百億円かかると言っているのに、千八百億円がとめられるのかどうかというのは大事な話なんですが、もうちょっと明確に、やらないんだったら、新しいことを計画するなら、それはもう一回ゼロから議論しなきゃいけないので、今回、秋田と山口に置かなかったものを船に積むから、アメリカ、勘弁してください、どっちみち買いますからということなんですか。

○河野国務大臣 既に契約しているものが約千八百億、千七百数十億でございます。これについても、当然、日米で協議をしていかなければならないというふうに思っております。

 委員おっしゃるように、今回、サンクコストになってしまう金額、これは決して安いものではございません。そういうことが発生したということは、これは防衛大臣として責任を痛切に感じているところでございます。

 ただ、サンクコストがあるからといって、更に二千億、十年を追加するしか選択肢がないということでは、更に御迷惑をかけることになるわけでございますので、こうした費用がこれまでに発生をしているということについては、これもおわびを申し上げなければいけないわけでございますが、しっかりそこは立ちどまって、今後どうするか、検討してまいりたいと思います。(発言する者あり)

○本多委員 真摯なお気持ちを述べていただきました。  今同僚から、防衛大臣じゃなくて総理が悪いんだという発言があったんですけれども、私もこれはずっと意思決定機関がわからないんですけれども、防衛大臣だけ、防衛省の皆さんの責任だけじゃないという感じがずっと、私、二〇一七年に来てから思っています。外交の面、総理大臣の判断、そして新しくできた国家安全保障局が、何だか防衛のプロの意見を聞かずに、どんどんどんどんいろいろなことを進めている。自民党の防衛族の先生方も情報をきちんと得ていない。こういうことが、仄聞ですが、来たわけです。

 だから、今回、防衛大臣が方針転換をしたということは、そこにもしっかり責任をとってもらわなきゃいけないと思うんです。防衛大臣だけがきちんと謝ればいいという問題ではなくて、誰が本当に判断をしたのか。これは、そこにさかのぼって、きょうは時間はそこまでないですけれども、私はずっと興味があったんですよ。誰に聞いても教えてくれないし、小野寺さんに立ち話で聞いたら教えてもらえるかと思ったけれども、そんな簡単な世界でもないみたいですから。

 ただ、私は、ここまで来て、千八百億円の契約したものは、もしかしたら、もう戻ってこないかもしれないということですよね。私、やはり、大臣おっしゃるとおり、このまま突き進んで、このまま億単位の、一千億単位の予算が無駄遣いされるよりは、当然、大臣の言っておられる今回の決定、いいですが、これは違約金という形かわかりません、要らないけれども、もう一つイージス艦をつくって、どこかにつけますとかというのでも、本当にやはり国家的な予算の使い方として、千八百億円、やはり出ていく可能性はあるということなんですか。どうなんですか。

○河野国務大臣 このイージス・アショアの配備のプロセスを停止をし、今後、国家安全保障会議でも議論をいたします。そういう議論を見た上で、これは当然、相手があることでございますから、日米でしっかり協議をするということになります。

 既に支払っているものもございますし、既に契約が行われているものもございます。全く支出がないと言うつもりはございません。そこはおわびを申し上げたいと思います。

○本多委員 予定していたものをやめたので何億かかかりますというのは、ないことではないかもしれないです。ただ、国家の予算、皆さんおわかりのとおり、一千億の単位でそういうことが発生するというのは前代未聞のことだと思いますので、やはりこの意思を、今決断をした河野大臣の責任というよりも、二〇一七年の十二月、突然の閣議決定を、防衛省さえきちんと知らないまま、与党の中もきちんと根回しがされないまま、ましてや我々は何だこれという中で決まった決定について、もう一度やはりきちんと検証していただきたいと思いますが、いかがですか。

○河野国務大臣 あの当時を思い起こしていただければ、北朝鮮のミサイルが日本の上空を飛び越えていく、毎週のようにミサイルが発射されている、そういう中で、日本の国民の皆様の平和な暮らしをどう守るか、日本の領土、領海、領空をどう守るか、そういう議論の中でこのイージス・アショアの配備が決定をされたというふうに認識をしております。

 大事なのは、今の厳しい安全保障環境というのは変わらないわけでございますから、今後どのように日本の国を守っていくかという議論をしっかりやらなければなりません。また、おっしゃるように、どういう形で今日まで来たのかということは、これは何らかの形で総括はする必要があると思います。それはやりますが、それとあわせて、今後どのようにしていくかという議論は更に重要だと私は思っておりますので、国家安全保障会議あるいは閣議の決定などを経た上で、今後の対応をしっかり防衛省として責任を持って考えてまいりたいと思います。

○本多委員 イージス・アショアの件については、私からは終わります。  今国会で、この委員会で、私はぜひ私の口から触れなきゃいけないのは、中東に行っている自衛隊の問題です。  政策としての賛否は大臣と分かれるのはわかっています。私は意見は変わりません。余り必要性のないものを、アメリカとのつき合いで、遠くまでこういう形で防衛力を出すことに私は否定的です。

 しかし、その賛否を超えて、このコロナでオリンピックのような大きなイベントも延期をされ、世界じゅうでいろいろな大きな国際会議がとまり、全て要ることです、オリンピックも大切なイベントですし、世界各地で行われる国際会議、どれも大事なものですけれども、延期をされています。百歩譲って、大臣のお考えのとおり、調査研究が大事だとしまして、このコロナで自衛官の皆さんは中東の土地まで行って、港にも上陸ができない、数カ月にわたって陸地を踏めない、こういう中で単調な海の上を調査研究に従事されているわけです。

 これはちょっと余りに酷なので、余り何回も何回も英断ばかりやれないかもしれないですけれども、こういう大きなことをやった後は、逆に。しかし、大臣、期間を、ちょっと、一年というのは何となく言っただけなので、アメリカも、もうトランプさんはそれどころじゃなくて文句を言ってこないと思うので、少しこのコロナを理由に、きちんと派遣の時期を考えていただけないですか。短縮するということについて検討していただけないですか。やはり陸に上がれないで何カ月というのはちょっと酷だと思いますけれども、どうですか。

○河野国務大臣 閣議決定のときと比べて中東情勢に変化はないというふうに考えております。日本のエネルギーがこの海域を通る、非常に重要な海域であるという状況にも何ら変わりはございませんし、このコロナの感染症が広がっていく中で、タンカーを始めとする商船の乗組員は、この船をしっかりと運航してくれている、そういう状況にあるわけでございます。

 そういう中で、委員おっしゃるように、残念ながら、今、補給のために港に入っても乗組員がなかなか自由に足を伸ばせない、そういう中にありますが、港の中には、波止場に区域を設けて、そこで運動することを認めてくれている、そういう港も出てまいりました。あるいは、そういう場所でWiFiの設備を使って、日本に残る家族とWiFiを使って連絡をとるということができるような設備の導入も進んでまいりました。

 当初の予定に比べると、やはりそういう意味で隊員のストレスというのはふえておりますが、日本の自衛官、それに負けるようなものでは決してございません。海上自衛隊、あるいは派遣している船と、私も、VTCですとか、あるいは海幕長以下と意見交換をしながら様子を聞いておりまして、現時点で、派遣の継続に問題ない、そういう判断をしているところでございます。

○本多委員 ぜひ検討してほしいと私は引き続き思います。  最後に一問、天下りの問題、調査をしていただくことをお願いをしています。残念ながら、まだ結果をいただいていません。どのぐらいのところまで来て、いつごろをめどに私たちには報告をいただけますか。

○河野国務大臣 再就職等監視委員会から要請のありました調査については、しっかりと調査をして、再就職等監視委員会に報告をしております。既に再就職等監視委員会での審議が始まっておりますので、先方での審議が終わり次第、これはしっかりお示しをしたいというふうに思っております。

○本多委員 終わります。